hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

城山



山頂は小春日和の陽光に包まれ我が背をあたためる
切り開かれた先には伊吹山と霊仙山が夫婦のように並び
見事なまでに輝く白さで薄霞の上に浮いていた


前景にある杉のてっぺんにメジロが2羽
交互に幾度も飛びたっては戻る行為を繰り返す
意味や目的はわからないものの楽しそうである
私もメジロも突然の春が嬉しかった


尾根筋にある曲輪跡を下る
城跡につながる石段は整然と残り
石垣跡の崩れ石は深く苔むしていた
木々に囲まれた歴史の舞台
幾百年の時は過ぎ去った


陽光の中に戻った私は冠雪の比良を遠望し
池に続く長い尾根道を下った
さざなみに揺れ光る池面の輝きは冬のそれではなかった
私は眩しさに目を細めながら池畔を帰路に着いた