hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

太郎坊


蒲生野に雪が降り積もり
街も田畑も白化粧
白い矩形の田畑の辺を車が流れ
雪面に浮かぶ霧も流れていった


大岩の上に立ち寒風を背に東空を見やると
鈴鹿全てが視野に収まり
眼前の白い平野の広がりはどこまでも続く
綿向山の背後に座る雨乞岳はいっそう白く
御池岳の山肌は流れる白縞が心地良い


赤神の御心は寛大に
御神体の大岩に立つを咎めず
その者が見るもの、湧き立つ心情を見守る


岩頭から遥か比叡を眺むるに
均整の三角錐から流れる稜線は
穏やかに薄墨のシルエットを描き
麓と稜線の向こうに
遠く遥かないにしえを夢想させる


蒲生野の冬はまだ続く