hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

鈴鹿の鹿



三十数年前、山登りを始めて数年経った頃、鈴鹿の雪山の峠で一服しているとすぐ数メートルの眼前を立派な角のある鹿が雪を蹴って跳ね去った。
野生との出会いの感動の一瞬で、厳しい環境に生きる生命の厳かさを感じる瞬間だった。


その後、登ったあちこちの山で出会ってきた鹿。今では増えすぎて駆除対象の害獣扱いとなっている状況のよう。
春の鈴鹿、竜が岳。笹原のあちこちから警戒鳴が聞こえると思ったら、数頭の鹿が目に入った。そしてその向こうの斜面は一見して百頭はいると見えた規模の群れが斜面を裸にしていた。繁殖期の集合なのか? あまりの数と禿げた山肌、これでは駆除対象とされても仕方がないかと思った光景であった。それにしても自分の中で鹿への印象が大きく変わってしまった経験でもあった。



この夏、鈴鹿南部の那須が原山に登った際に出会った鹿。というか鹿の一部。鹿の食害から守る植生保護エリアの戸の貫抜が何と鹿の角で作られていた。まあ、鹿の角は時期になると自然と落ちるものなのでそれの活用なのだろうけど、鹿の侵入を防ぐ鍵に鹿の角。こう使うか?と感心した次第。



また、下山時の林道で頭蓋骨が転がっていた。
表情は無いはずなのに心なしか恨めしそうな顔に見えた。