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山と妄想あそび

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  • 鈴鹿の鹿

    三十数年前、山登りを始めて数年経った頃、鈴鹿の雪山の峠で一服しているとすぐ数メートルの眼前を立派な角のある鹿が雪を蹴って跳ね去った。 野生との出会いの感動の一瞬で、厳しい環境に生きる生命の厳かさを感じる瞬間だった。 その後、登ったあちこちの山で出会ってきた鹿。今では増えすぎて駆除対象の害獣扱いとな... 続きをみる

  • 雪野山

    視野の左から雨乞岳と綿向山 正面から右に高畑山から油日岳への南鈴鹿連山 右に飯道山と阿星山、そして右隅に三上山 尾根上の大岩の上から眺める山々の並び 古代の人たちも眺めたに違いないこの景観 氏長の墓を造るため幾度も幾度も目にしたであろうこの広がり 山頂空間は前方後円の型をなし 石積みの名残が囲む山... 続きをみる

  • 鈴鹿のやまなみ

    身の丈を超える笹をかき分け三角点に這い出た その時目に飛び込んできたのは 深く遥かなやまなみ 遠くに御在所岳、雨乞岳、綿向山、イブネにクラシに御池岳 私が見た最高の水墨画 午後の陽に照っている生命感のある笹の向こうに 薄墨で引いた見事な稜線の重なりとグラデーションがあった 鈴鹿は深い 深みの美しさ... 続きをみる

  • 黒い砂漠

    ザックザク 踏みしめる一歩ごとに軋る音 踏み出した足は流され労力と歩速の半分は削がれる たどり着いた石炭のボタ山のような丘から眺める荒涼感 ここは我が国由一の「砂漠」 通称「裏砂漠」 この砂漠は黒い 砂漠の正体はスコリアと呼ばれる玄武岩質の礫 火山からの噴出物である 黒土に低草の株が照り美しく 黒... 続きをみる

  • 宝永山

    火口に向かう水平道から揺蕩う雲海を眺めた ガスの隙間から差し込む光の中それは生き物のようであった 斜面の下方にある街は雲に蓋をされ望むことが出ない かわりに雲海の上にいく筋もの光柱が賑やかな空を作っていた 黒い礫の流れる斜面にオンタデの点在 雲間から差し込む光に黄葉は輝き 黒と黄緑が混じる黄金の大... 続きをみる

  • 雪原

    芝の広場を覆う雪面に足跡はない 一面は無垢の白 雪面のスクリーンに欅の影が投影されていた 欅はその立ち姿が良い 幹の立ちが良い、枝振りが良い さて、この雪面を舞台に これからどんな物語が映し出されるのだろうか そんなことを空想していたら カラスの影が欅の上を過ぎ去った