2022年8月のブログ記事
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空が破れる 昔のバンドの曲にそんなような歌詞があった 茜の空を背景に岩峰を眺める すると空が破れていた 破れの奥は漆黒 果てのない闇がある 歌では破けた空は青空 裂け目からは「あいつ」が降りてくるのだと この茜空の裂け目からは 何が降りてくるのだろう
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乗鞍岳の山頂 空が近い 流れる雲の合間に深い青空 その一角で見つけた指紋 誰かが青空に触れたようだ
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聞こえてきませんか ファンファーレ 山の向こう側から賑やかに鳴り響いてくる 何が始まるのだろう 気持ちがはやり 足を速めて鞍部に急いだ
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お椀のような包葉が弾け膨らむ 嬉しくてたまらないようだ そんな喜びの素が包の中に きっとあるのだろう 朝日の中で 喜び合う賑やかな声が 聞こえてくる
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砂浜を形成するありふれた河口を塞ぐ岩塊 柔い曲線の砂浜に硬質の柱状節理 ミスマッチな硬軟混合な質感は奇妙な世界を作る 時空を突き破って立つ岩は 場違いのようでもありながらも 怯まない 迷子のようでもありながら 恐れない 日本海の荒波に 風雪に 決して動じることなく 時空の裂け場の綻びを防ぎ続けている
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木漏れ日の照明に輝くウラジロ 熱帯林かと錯覚をするかのような光景が林床のあちこちに点在する 檜の植林帯はちょっとしたスポットライト浴びるライブ会場客席さながら うっすらと暗い林の中の光の演出に迎えられ しばらくシダの海原を彷徨うことにしてみた
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霧が這う 明けつつある夜から帰るため 霧が洗う 汚れた森の浄化のため 霧が呑む もう一つの世界を作るため 霧は使者 現界に伝令を届けにやってくる 霧は迷い者 時空の狭間で立ち往生 霧は旅人 夜ふけに訪れ朝に去る 早朝の杉の森 竜の如き霧は樹上の窪みを蛇行し その姿をゆっくりと消して去った
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富山県有峰の折立から入り、槍の山頂を踏み上高地に下った。有峰口からはヒッチハイクしてトラックに有峰湖まで運んでもらった。 太郎平の小屋には僕を含めて4人しか宿泊者はいなかった。夕食後、炬燵に座る3人の登山者の中にお邪魔した。 この日はどうしたことか普段は人見知りの自分がトラックを止め、見ず知らずの... 続きをみる
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雪溶けて 緑葉束に 花一輪 花束のようなコバイケイソウの株に添い咲くショウジョウバカマ この一輪がコバイケイソウを花束以上にしている 残雪の山を撮っていた足元に 初夏の喜びが生えていた