hiroshi63のブログの新着ブログ記事
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私は老木。 老化のせいで樹皮の入れ替えが遅くなり彼等に住われてしまった。 言ってみれば我が身は無断借用されている状態なのだが おかげで老樹としての威厳という利益は得られていると言って良い。 苔に便乗して着生しているヒゲのようなノキシノブも より厳粛さを増すのに一役かってくれている。 養... 続きをみる
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広い平野に残る孤立丘とも呼ばれる小山 視認は近江の各地にとどまらず古都や摂津の山からも容易い 季節は夏、ある日の気まぐれな登山 三上山肩の東光寺に抜ける峠に出るとぐるりが展け 南に緑濃い左右対称の見事な三角錐が迫っていた 頂点の上には梅雨明けの抜けるような青空が深く 明確な色の世界がとても印象的で... 続きをみる
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岩目は青空を透かし 白い岩肌は水を欲す この岩を見た時「ジャミラ」だと思った 孤独で哀しい過去を持つ 悲しきウルトラ怪獣 水の侵食に脆い石灰岩 ジャミラは待ち焦がれた水をたっぷりと得ると 皮肉にもその身を溶かしてしまうのだろう ああ哀しい物語り ※白崎海岸にて
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私は今「時間」を見ている 目を見張るこの断面 一層が150年から200年と言う 眼前にはいったい何年分の時が積まれているのだろう 各層の堆積は火山の噴火によるもの 褶曲によるものではないとのこと 見る部分、角度によって印象が変わる 正面に立つと樹木の年輪や愛称どおりバームクーヘンを思い起こす 端か... 続きをみる
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山頂の切り開きに立つ 北に残雪の縁取りが強調された比良連山が見渡せる 南に深皿を伏せたような十二坊山 西には近江富士の三上山が大きい 近隣の低山から遠く琵琶湖を挟んで遠望する湖西の山々まで 痩せ尾根の一角のような頂にしては格別の眺望なり 比良を眺るに 薄霞のかかった琵琶湖の上に濃い青墨の山が連なり... 続きをみる
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岩を見たくなったら金勝山に登る 新緑の頃が良い 淡い緑が芽吹き始めると足が向く 天井川の土手を遡り 落が滝線の登り口から切り通しを抜け沢を遡る 水は花崗岩の一枚岩の川底を穿ち 柔らかく心地よい曲線をいく所にも描いている 滝は滝壺から見上げるもよし 落ち口から見下ろすもよし 対岸の斜面を攀じ登って眺... 続きをみる
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芝の広場を覆う雪面に足跡はない 一面は無垢の白 雪面のスクリーンに欅の影が投影されていた 欅はその立ち姿が良い 幹の立ちが良い、枝振りが良い さて、この雪面を舞台に これからどんな物語が映し出されるのだろうか そんなことを空想していたら カラスの影が欅の上を過ぎ去った
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雪の森中で出会う雪坊主 淋しげにこちらを見ている 何か訴えているようで無さそうで こちらも愉快で切なく複雑な心中に戸惑う 雪の森中を歩いているといろんな坊主に出会うのですが その度に目と耳を奪われるのです
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陶芸の技に飛びカンナなるものあり ロクロで回転させた皿などの表面に弾力のあるカンナを等リズムで弾ませ削る するとちょうどこの空のような模様ができる この大地のこの空 飛びカンナの模様が奥行きを作り 散策の意欲を高める 急がず焦らず ゆっくりと 模様の始まりを目指して歩いてみよう
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捻くれ者なのに柱状節理が好き 整然と規則正しい様 そういうのに好意を感じる自分がいる 私もこの岩と同じ多面体だからだろう
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昨年、秋も半ばを過ぎた頃、よく行く森の中を歩いていると、視界の右側に背後から前方に一枚の葉が一直線に飛ぶのが見えた。ほとんど風が吹いていなかったこともあり、葉は進路を変える様子もなく僕の目の前5~6メートル先の地面に落ちた。 この時期早い樹種は紅葉し落ち始めている頃。しかし、それらは風がなくて... 続きをみる
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双六岳の砂漠を歩いた 緩い半円丘に上がり水平道で振り返ると まさにこの山ならではの景観があった 円と三角錐 緩い曲線と鋭角な岩峰 対照的な山の景観で知られた地 再び向き直り頂上を目指す どこがトップかわからぬが 早く登ってこいと 雲が催促していた
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錦秋とはよく言ったものだ 錦の敷物を敷き詰めた斜面に 分厚い雲の間から陽が差し込んだ 錦の尾根に扇状谷が「流れ」を作る 雲間に差し込む刹那の光景は 晴天下のそれよりも迫力で印象が強い ここは立山、雷鳥沢 三山縦走後に下った沢で見事な秋に会い 足の疲れを忘れてしまった
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「富士には月見草がよく似合う」 太宰治 「白山にはナナカマドの実がよく似合う」 私
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夕暮れの尾根で見る広大なスクリーン一面の赤、夏の濃緑と雪渓の白に空の青、山腹の花畑に咲くチングルマの白やフウロの薄紫、深い暗闇にきらめきながら降って来る星々、山で見る光景と色には強く心を動かされる。それが山登りという行為への最大の動機であろう。 内に深く作用する世界は単に視覚だけによるものでないこ... 続きをみる
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廃村の今畑より登り笹峠でいっぷく 南霊仙山頂への急登の中ほどにこの遺跡がある 神事に被るマスクのような顔 未知な動物の骨 辺りはこのような出土物が無数に晒されている 石灰岩の墓跡群が風化されたなれの果て 荒涼感さえ感じる斜面の遺跡は 朝陽の中、人知れず琵琶湖を遠望する
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時が止まり 物質の相転移が起こった 斜面を這い上がる波は石化し 地の隆起とともに平野を見下ろす尾根となる 琵琶湖を見下ろす此処には 長い旅路の過去が今も残っている ※琵琶湖はおよそ400万年前より三重県伊賀の地から現在の地まで移動してきたとのこと
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ロックバランシングという石積みアートがある これを見た時そのアートのことを思い出した 足指に大きな岩を乗せてバランスを取っている 誰かがバランス遊びをしているよう 隣の松も呼応してクネっているのがまた面白い 青空下のなんとも陽気な光景に下山の脚を止めて微笑んでしまった
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神社の祠への参道沿いにあったお供え物 なんとも可愛らしくて微笑ましい 行為の主は子供かな でなければ、その心を持った誰かでしょう
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寺の入り口の水鉢に一輪 蓮の蕾が伸びていた ハッとした 蕾の先の水滴の清々しさは まさに開かんとするこの期にふさわしい輝き 門前に咲く一輪の澄んだピンクの大輪 その絵を頭に描き門をくぐった
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空が破れる 昔のバンドの曲にそんなような歌詞があった 茜の空を背景に岩峰を眺める すると空が破れていた 破れの奥は漆黒 果てのない闇がある 歌では破けた空は青空 裂け目からは「あいつ」が降りてくるのだと この茜空の裂け目からは 何が降りてくるのだろう
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乗鞍岳の山頂 空が近い 流れる雲の合間に深い青空 その一角で見つけた指紋 誰かが青空に触れたようだ
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聞こえてきませんか ファンファーレ 山の向こう側から賑やかに鳴り響いてくる 何が始まるのだろう 気持ちがはやり 足を速めて鞍部に急いだ
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