hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

遠足尾根(竜ヶ岳)


乳白の視界の向こうにうっすらと揺らぐ木立の影
幽玄な里の朝霧は次第に晴れゆき渓谷に入るともう空は青かった


小橋の下から水量の伝わる轟音が響き
花崗岩の白い川底の上を澄んだ碧水が流れ下る
林道の瑞々しいアザミが足元に棘葉を伸ばし早る気持ちを鎮めてくれた


尾根へのつづら折りに蝮草がすっくと伸び仏炎包がお辞儀で丁重なるお出迎え
思わず返礼をして通り過ぎた


赤いぼんぼりが一面に転がるアセビの丘を過ぎると
シロヤシオの花が西からの強風に煽られ絶え間なく揺れていた
サバンナを思い起こす草原一帯のシロヤシオの配置は妙
計算や作為が隠れているようであり
生き物の立ち姿のように動的な陣形にも見える
すぐ近くで鹿の群れも妙なる陣形で下草をはんでいた