hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

夏の色

                                   (再掲)
夏が来れば思い出す遥かな涸沢、青い空
私の場合、夏は尾瀬ではなく穂高である
遠い夏の遠い穂高
40年前に出会ったこれ以上のない夏の色を思い出す


明神、徳澤を過ぎ
3つめの分岐の横尾で川を渡ると涸沢への道になる
屏風岩を見上げながら沢筋を遡ると別天地が見えてくる
幾重の襟合わせたとその向こうの岩峰に青空
眼前の構図と色に感嘆する
もう、肩に食い込む荷の重さも靴擦れのピリ感も感じていない


遡るこの道、かつての氷河が作った道
風化でできた礫は崖の下に崖錐を作り
両崖錐の真ん中を雪解け水が谷を穿つ
安息角を保つ斜面とその流感に心奪われる


夏山は穂高
この一枚が今も涸沢に誘う夏の色