hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

2023年3月のブログ記事

  • バームクーヘン(伊豆大島の大地層断面)

    私は今「時間」を見ている 目を見張るこの断面 一層が150年から200年と言う 眼前にはいったい何年分の時が積まれているのだろう 各層の堆積は火山の噴火によるもの 褶曲によるものではないとのこと 見る部分、角度によって印象が変わる 正面に立つと樹木の年輪や愛称どおりバームクーヘンを思い起こす 端か... 続きをみる

  • 三原山

    黒磯と黒砂の浜、そして黒い砂漠 地下深くからの噴出物が作った黒の世界 マグマは斜面を流れ下り黒磯と浜を作る 山上ではカルデラを埋め我が国唯一の砂漠を作った 炭のような黒磯の波打ち際 おろし金のような鋭利な岩の刃先が流木を擦りおろしていた 痛みが身体を走り背が震えた 黒砂の浜の波打ち際 寄せ引く波が... 続きをみる

  • 古城山(ふるしろやま)

    山頂の切り開きに立つ 北に残雪の縁取りが強調された比良連山が見渡せる 南に深皿を伏せたような十二坊山 西には近江富士の三上山が大きい 近隣の低山から遠く琵琶湖を挟んで遠望する湖西の山々まで 痩せ尾根の一角のような頂にしては格別の眺望なり 比良を眺るに 薄霞のかかった琵琶湖の上に濃い青墨の山が連なり... 続きをみる

  • 滑沢

    道は花崗岩の沢を縫うように渡る 岩盤の表面を洗う流れは盤上を滑らかに研ぎ 曲線美が心地よいU字の水路を穿つ 流れの時はゆっくりゆったり のどかに音楽を奏でていた いつの間にか気づいた 急く気持ちも気負いも消えていることに 滑沢は私の中の起伏をも研いでいたようだ ゆっくり歩けば良い 流れを楽しみなが... 続きをみる

  • 武奈ヶ岳

    武奈ヶ岳 ある日、淡い緑が八雲が原を埋め、あちこちの枝にモリアオガエルの泡が垂れていた ある日、山頂の空を埋め尽くさんがごとく赤とんぼが舞っていた ある日、金糞峠をアサギマダラが飛んでいった ある日、流れる湿原の流れにイワナを見た その日、コヤマノ岳のブナ林は輝く霧氷の花が煌めき、風に煽られた氷片... 続きをみる

  • 金勝山(こんぜやま)

    岩を見たくなったら金勝山に登る 新緑の頃が良い 淡い緑が芽吹き始めると足が向く 天井川の土手を遡り 落が滝線の登り口から切り通しを抜け沢を遡る 水は花崗岩の一枚岩の川底を穿ち 柔らかく心地よい曲線をいく所にも描いている 滝は滝壺から見上げるもよし 落ち口から見下ろすもよし 対岸の斜面を攀じ登って眺... 続きをみる

  • 白山

    残雪に足をとられ半日 山頂には私ひとり 広い空、大きな山の上で白いアルプスを眺めた 孤独など一切なく昂りだけがあった 盛夏の室堂にコザクラが咲き乱れ クロユリがアクセントを作る 岩場ではオコジョも人も駆け回った 辺りは活き活きとしていた 台地の縁から見上げる秋晴れの丸い頂 澄んだ空気にナナカマドの... 続きをみる

  • 七本槍

    林床に差し込む陽を浴びるこれを見た時 格好の良さに綺麗だと感じた なんでもない木の根は 日の当たり具合によって美術的な様相に変身する シンメトリーな放射は鋭利な生き物でもあり 未知の生命体にも見えてくる シャッターを切った直後 身の危険を感じた私は一歩下がった するとそれはますます私を威嚇するかの... 続きをみる

  • 雪原

    芝の広場を覆う雪面に足跡はない 一面は無垢の白 雪面のスクリーンに欅の影が投影されていた 欅はその立ち姿が良い 幹の立ちが良い、枝振りが良い さて、この雪面を舞台に これからどんな物語が映し出されるのだろうか そんなことを空想していたら カラスの影が欅の上を過ぎ去った