武奈ヶ岳
武奈ヶ岳
ある日、淡い緑が八雲が原を埋め、あちこちの枝にモリアオガエルの泡が垂れていた
ある日、山頂の空を埋め尽くさんがごとく赤とんぼが舞っていた
ある日、金糞峠をアサギマダラが飛んでいった
ある日、流れる湿原の流れにイワナを見た
その日、コヤマノ岳のブナ林は輝く霧氷の花が煌めき、風に煽られた氷片が眩しかった
その日、イブルキノコバはふかふかの雪布団をかぶりラッセルする足が喜んだ
その日、西南陵の馬の背は厳しい風紋が広がる雪原だった
その日、ワサビ峠の雪庇は気持ち良い曲線を描き青空を切り分けていた
季節ごとに幾度と訪れた愛着深い山
北比良峠で堂満岳のケルンバットの勇姿を眺め
頂上からは京都の山並みと琵琶湖を俯瞰する
中峠を越え湿原を歩いたら金糞峠の青ガレを降りよう
幾度も歩いた周遊の道
また歩いてみよう
あの頃のように
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。