三上山(近江富士)
広い平野に残る小山
孤立丘とも呼ばれる
視認は近江の各地にとどまらず
古都や摂津の山からも容易い
この地の旅人には
旅の帰途に安堵を与える釣鐘となる
一年の計をこの山から始める人は多い
かつては私自身もそうであった
冷気が顔を刺す薄闇に
昨夕より降り積もった雪を踏みしめながら登る
元朝の初陽へのはやる気持ちを抑え
少しづつ急を増す山道を急ぐ
平野の頂点で初陽を浴び
かりそめの満足をもとに365分の1の初日を始める
こんな山登りを幾度かやった
未だに説明しきれぬもどかしさが残るこの行為
信仰を持たぬ己が中に
意識に上がらぬ原始の信仰心とでもいうようなものが潜むのか
宇宙と地の理(ことわり)から辿る世界の認識に
つとめて冷めようと心がけてはいるはずなのだが
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