hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

白山


残雪に足をとられ半日
山頂には私ひとり
広い空、大きな山の上で白いアルプスを眺めた
孤独など一切なく昂りだけがあった


盛夏の室堂にコザクラが咲き乱れ
クロユリがアクセントを作る
岩場ではオコジョも人も駆け回った
辺りは活き活きとしていた


台地の縁から見上げる秋晴れの丸い頂
澄んだ空気にナナカマドの赤い実がよく似合った
山腹の錦の衣に雲間から柱光が一筋
赤でもなく黄でもなく色濃い緑が主役であった


仮眠の後の重い身体は登山口に捨て置き
程よい汗ばみの中スキーを担いで登頂
照り返す雪面を一気に滑り降りた
ものの半時間、大腿筋の悲鳴に反し心は陶酔の域にあった


不安を超える程々の好奇心とちっぽけな冒険心
それが山を登る動力の素だったように思う
それは今も変わらず山への志向の背後に潜んでいる