hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

モッタ温泉


島牧村は海岸線の崖の薄い縁にある小さな村
その外れの漁港近くにモッタ温泉はある
一軒宿である
小さめの浴槽ながらラジウムを含む泉質が良く
ぬるめの露天で1時間以上も浸かって海を眺めた


裏山の海岸線に並行する崖の上で地質調査を手伝った
40分程崖を巻く山道を登り調査にかかる
比較的平坦な崖上には石垣の縁で区切られた遺跡のような段々畑の跡があった
昔の人はこんな崖上で農作物を作っていたということだ
海岸線の薄い平地には居住家屋をたてるだけで農地の分がなかったからであろうか
それにしても40分かけて登る畑作りと作物作りはかなりの継続的な労力が必要な作業であったに違いない
それを思うと昔の入植者の苦労と辛抱がこの崖上の畑あとから滲み出るようだ
ただ、所々に樹間から見通せる日本海の広がりは労を癒やしたに違いないとも感じた


温泉宿の経営者はそうした人たちの末裔なのだろうか
一所懸命の人たちがまだこの地で生活を営み温泉を守っている
露天の湯で漁の話をする人たちと一緒に浸かりながら
そんなことを考えていた