hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

hiroshi63のブログの新着ブログ記事

  • オオセンチコガネ

    山道で春から秋にかけて見かける2センチ前後の丸っこい甲虫。体色は複数あり瑠璃色の個体もあるが緑やエンジ色のものもある。 いづれも光沢の良いメタリックな甲冑を身にまとい、陽の光を浴びると宝石さながらだ。 こうした金属光沢の色彩は構造色と呼ばれていて、ネット情報によると「光の波長あるいはそれ以下の微細... 続きをみる

  • チングルマ

    夏の高山の代表的な花であるチングルマ 岩場の隅に数輪咲くもよし 花畑に群生するもよし 小さな白い花は実に可愛いらしい この植物 成長が遅遅な超低木だそう 木に咲く花である 花を終えると赤みを帯びた綿毛のような形状になる ネムノキの花のようでもあり イソギンチャクのようでもあり あの可憐な花からは想... 続きをみる

  • はじける包葉

    お椀のような包葉が弾け膨らむ 嬉しくてたまらないようだ そんな喜びの素が包の中に きっとあるのだろう 朝日の中で 喜び合う賑やかな声が 聞こえてくる

  • 外側の色

    光は7色からなるそうな ただ、僕には5色しか見えない 光は電磁波の一種 人の目は可視電磁波の波長ごとに色が違って見える 分離された光が7色の基 赤、橙、黄、黄緑、緑、青、紫 赤より長い波長は赤外線 紫より短い波長は紫外線 いずれも人間にはまず見えない 僕には緑も紫も怪しい 山頂で出会った逆弧の虹 ... 続きをみる

  • 巌門

    針山の入り口には仁王のような 2対のいかつい巌門が待っていた この前衛の狭き門、検門でもある 奥の主峰を目指す者の資格を見定める さて、私はこの巌門の前に立つ 心なしか両岩がギュッと寄ったかに見えた すかさず一歩前に踏み出す すると寄せは止まった 躊躇わずその後の歩を進めた 今度は奥の主峰がグイッ... 続きをみる

  • 影絵

    早朝の山頂で影絵を見た 東の空いっぱいがスクリーン 槍穂高の上空を龍が飛んでいく 何の物語か分からないけど 昔話を想起させる ふた昔前 山の写真はポジフィルムで撮っていた 現像してもらったラッシュフィルムは スライドプロジェクターで一枚一枚映写してマウントに綴じる 山行から帰った後の楽しみのひと時... 続きをみる

  • 要塞

    山肌を突き破る三角群 風雨や波の侵食によるもので硬い部分だけが残った結果 とは、よくあるもっともらしい地形の説明 整った三角の配置は 海からの侵入を防ぐ要塞のようであり 古代に人々が設けた魔除けのようでもある ただ、何となく 物悲しさを感じるのは私だけだろうか 波打ち際を見つめ続けるあれらに 生命... 続きをみる

  • 空海

    空海の青が見事だ 高波長の青光は 大気の中で散乱し 他色をおさえ 空を青のスクリーンに作る 水の青は本質的である もともと青を呈する 他色は散乱吸収され 青だけが海を色づける そして1400万年前 地球の憤怒は 紀伊の半島に巨大すり鉢を作り 奇異な岩杭で界橋を残した 途絶えた橋の先の異界は 今では... 続きをみる

  • 37年前の今日

    1985年8月12日、僕は穂高の涸沢のテントにいた。不気味なほど紫色に暮れなずむ常念岳方面の西空に慄き、日暮れ前にランタンを灯した。 テントの中でラジオを聴いているとジャンボ旅客機が長野県あたりの山中で消息を絶ったと報じていた。この近くだろうかと、まだその辺りの地理に疎いながらも、もしやと近隣の山... 続きをみる

  • 立岩

    砂浜を形成するありふれた河口を塞ぐ岩塊 柔い曲線の砂浜に硬質の柱状節理 ミスマッチな硬軟混合な質感は奇妙な世界を作る 時空を突き破って立つ岩は 場違いのようでもありながらも 怯まない 迷子のようでもありながら 恐れない 日本海の荒波に 風雪に 決して動じることなく 時空の裂け場の綻びを防ぎ続けている

  • 蚕食

    人の横顔に見える というのが多くの人の見方だろう 妄想癖のある私の見方は異なる 闇に動きを見るからだ 鼻頭に眩い太陽は間もなく暗闇に呑まれるだろう 闇の動きは遅遅のようで意外と速い 桑の葉がいつの間にか食べられているように 世界から青空を取り除くのにそう時間はかからない 闇の正体は何か もちろん蚕... 続きをみる

  • 口蓋垂

    俗称、喉ちんこ 頭に喉が付くからか 若い女性でも抵抗なくこの名称で発する この奇妙に垂れた器官は 口腔と鼻腔との間にあり 食物が鼻に入らぬための弁である また、微妙な震えは発声に影響する 哺乳類では人間だけにあるものらしい さすれば 目的はわからねど 大海原に大声をあげる これも人間のものというこ... 続きをみる

  • 木漏れ日の演出

    木漏れ日の照明に輝くウラジロ 熱帯林かと錯覚をするかのような光景が林床のあちこちに点在する 檜の植林帯はちょっとしたスポットライト浴びるライブ会場客席さながら うっすらと暗い林の中の光の演出に迎えられ しばらくシダの海原を彷徨うことにしてみた

  • 立山の鏡

    自分の姿を鏡で写したがる山は結構多い 身体の適当なところに池や湖、湿地の池塘などを配置し 天球を通過する光源を利用して我が身を映す 正面顔は目の前のこの池で 横顔は朝の斜光が当たるあの池で 立ち姿は台地の下の池塘で 大きく威厳ある山であるほど鏡の数は多く 自身のさまざまな表情を見たがるようだ 加え... 続きをみる

  • 夜明けの月

    剱岳と立山の頭は朝陽に赤い その向こうに薄れゆく夜の光源 背から真の光源が上がり やがてアレは白い影に変わり、そして沈む 赤い山頂と照る月の共演は束の間 この自然の設定との出会いは幸運だ それにしてもこの月 誰かが切り抜いたかのような 見事に丸い空白 宇宙船か何かが出入りする窓のようにも見えてくる... 続きをみる

  • 霧が這う 明けつつある夜から帰るため 霧が洗う 汚れた森の浄化のため 霧が呑む もう一つの世界を作るため 霧は使者 現界に伝令を届けにやってくる 霧は迷い者 時空の狭間で立ち往生 霧は旅人 夜ふけに訪れ朝に去る 早朝の杉の森 竜の如き霧は樹上の窪みを蛇行し その姿をゆっくりと消して去った

  • 回想 初めての槍ヶ岳

    富山県有峰の折立から入り、槍の山頂を踏み上高地に下った。有峰口からはヒッチハイクしてトラックに有峰湖まで運んでもらった。 太郎平の小屋には僕を含めて4人しか宿泊者はいなかった。夕食後、炬燵に座る3人の登山者の中にお邪魔した。 この日はどうしたことか普段は人見知りの自分がトラックを止め、見ず知らずの... 続きをみる

  • 回想 西穂高縦走

     この困難で危険なルートを縦走してみようと考えたのはある年配の女性の一言がきっかけであった。真夏の暑い盛りに家族旅行で西穂高岳独標に登った。 まだ小学校低学年だった次男は丸山でストライキを決行した。なだめて励ます親に向かって言った言葉は今でも忘れない。 「頂上行っても景色があるだけやろ!」  これ... 続きをみる

  • 粘土のオブジェ

    土粘土での創作の手伝いをやったことがある ある人はちぎりとって丸めた土を叩いては重ね叩いては重ね おかしなオブジェを作った ちょうどこんな具合だ ただ、これは叩かれたものではない 花崗岩の塊を叩き重ねてもこうはならない 雨雪の巧妙な仕業である と言ってもその工程を説明せよと言われてもできない 粘土... 続きをみる

  • イワナ

     

初めて野生のイワナを見たのは上高地。河童橋から徳沢に向かう梓川で20センチ以上もあろうかというものがたくさん泳いでいるのを林道から見下ろした流れの中に見たことがある。三十年以上前のことだ。  初めてイワナを食べたのも上高地だった。富山の折立より黒部五郎岳、西鎌尾根を縦走し槍ヶ岳から下って横尾... 続きをみる

  • 葉束

    雪溶けて 緑葉束に 花一輪 花束のようなコバイケイソウの株に添い咲くショウジョウバカマ この一輪がコバイケイソウを花束以上にしている 残雪の山を撮っていた足元に 初夏の喜びが生えていた

  • 滑落

    3000メートルの山頂はあいにくのガスであった 岩陰でガスが晴れるのを待つこと30分 ガスは晴れることはなく風は強まるばかり あきらめて下山することにした 岩稜帯を下っていると 吹き付ける風はその強さを急激に増した 大きな岩を巻くように風上側に回り込んだ時 猛烈な風圧に吹き飛ばされそうになった 僕... 続きをみる

  • 雲海

    木曽駒あたりから甲斐駒を見る 伊那谷は雲海の下 雲海は大河 蠢くような雲襞は 生き物のように揺蕩い流れる この下にほんとに街や人はあるのだろうか 天竜が深くえぐる谷筋は 妖気漂う雲の大河が流れる道でもあった

  • モルゲンロートとアーベンロート

             モルゲンロート アーベンロート ケッタイな呼び名 朝夕の赤焼けのことらしい なんの加減か晴れていてもさほど赤くならない日や 濃い赤の景観が拝めることもある しかし、いずれも時間は長く無い まだ赤くなるだろうと待つうちに薄れてしまうこともありがち 青は人間の好む色、安心安定の色 赤... 続きをみる

  • 笠へのプロムナード

    この山は実に端正だ その名の通り四方どこからも左右対称な「笠」型に見える 他の山と少し距離をもつのもそのフォルムを強調する独立性を生んでいる この山は直下の麓からぐいっと急登するのもよいが 回り道をして北陵を辿るのが良い 笠に向かう等高の散歩道が格別だ 南アルプスの北岳と間ノ岳の3000メートルの... 続きをみる

  • 給餌という行為

    もう10年以上前から近くにある山林内の自然公園を散歩している。山登りなどに行かない週末の午前の日課だ。 つまらない団地の中を足速に過ぎ林道に入り、林道の終点近くの小川の渡渉部まで約30分。山道に入る分岐の川には飛び石が敷かれ、その下流部は溜まりになっている。ここが散歩の一つ目の楽しみの場所。 僕が... 続きをみる

  • 琵琶湖の蓮

    2016年夏、琵琶湖の赤野井湾でとても悲しいことが起りました 群生していた蓮が全滅したのです 琵琶湖南部東岸に突き出た烏丸半島北側の湾は甲子園13個分の広大な浅瀬で 8月初旬にはほぼ湾全部を埋め尽くすほどに蓮が咲いていたのです それは荘厳で見応えのある景観でした 蓮の花も葉も実に美しい これほど澄... 続きをみる

  • 変態

    体を覆う皮膚がこわばり その内側ではプログラムの進行が加速する 意識が曖昧になってきた 覚醒と眠りの狭間で時間がなくなる どれくらい時が経っただろうか 再び意識を感じた時 からだの奥から突きあがる衝動を覚えた からだは素直に反応する 背中の硬くなった皮膚を押し破り するべきこととして抜け出した  ... 続きをみる

  • オオスカシバ

    我が家の縁台の鉢植えに 鶯色の小さなハチドリのようなものが飛来した あれか?と近くに行って確認 やはりオオスカシバだった 何度か目にして気になっていた蛾だ 何日かすると妻が鉢植えの一つのクチナシに芋虫がついていると言う 「どんなの?」 「小さかったのにもうこんなになってる」 と人差し指と親指の間を... 続きをみる

  • 尾瀬 ーヒツジグサー

    昨日は目にしなかったのに 今日は咲いていた 小ぶりの可愛くてひかえめな花だった 夏の池塘にはよく似合う あそこにも一輪 水中で多層的に開いた葉が池塘の質感を変える まるでヒツジグサのゼリー寄せだ 同行者は水羊羹と言った 水中のが水面まで伸びてくると 賑やかで楽しげだ 水面に絵ができていた

  • 尾瀬 ーヤマドリゼンマイー

    7月中ば 尾瀬の主役はこの羊歯だった ニッコウキスゲ、ヒツジグサ、コウホネ、トキソウ、ワタスゲ、アヤメ… 尾瀬ヶ原を演出する代表的な植物より 僕には存在感が強かった 水鏡に映る虚像がまた良し 先端部の柔らかい黄緑の輝き ピリッと張りのある立ち姿 心地よいフラクタルな図形の集合 群生ラインが作る湿原... 続きをみる

  • 尾瀬 ー木道ー

    燧ヶ岳への直線 至仏山への直線 竜宮への直線 木道は 在ることで湿原を絵画的に演出する 空間の奥行きと広がりが出て 空間がキリッとしまる 湿原の人為的な保護策が 視覚的喜びを与える空間に仕立ててくれている

  • 至仏山

    昨日午後の雷雨が湿原を洗い 今朝は空気が澄んだ 冷えた飽和状態の大気は霧をなし 湿原を這っていった 盆地を抜け遅れた塊が至仏山の麓で薄れてゆく 昨夜の予報に諦めていた至仏山へは 急遽身支度を整え直し宿を出た 昼前までが勝負と速足で臨む 森林限界を越えると尾瀬ヶ原の全貌が俯瞰出来た 若い緑の湿原に池... 続きをみる

  • 吹割の落水口

    滝は高みより落ちる典型的なのではなく 一枚岩を薄く流れる滑(なめ)滝がいい 群馬の代表2滝を見てきた 尾瀬の「平滑の滝」はこちらが高みから見下ろさねばならなかったが この「吹割の滝」は間際を歩いて遊覧できるものだった 醍醐味は巨大な排水口のような落ち口 上流から見ると遊覧者にヒヤリとする 「呑まれ... 続きをみる

  • 滑渓谷

    苦痛、悲嘆、受容、悟り 止まることのない水の流れは 火山灰で出来た岩を削り続け 噴出の時に封じた心を掘り出していた 幾百年、幾千年、幾万年 これからも流れ続ける水は その下に 何を掘り出すのであろうか

  • ハッチョウトンボ

    トンボは種を問わずなべて好きだ オニヤンマの巨体が悠々と縄張を巡回する姿は王の風格がある 戦闘機の如きギンヤンマの飛行と旋回も格好が良い 昔トンボ、ムギワラ、シオカラ コシビロ、チョウ、アキアカネ 羽黒に糸トンボ 大中小、形状、色それぞれに個性があり魅力がある 中でも、赤くて可愛い小粒な奴がいる ... 続きをみる

  • ハンミョウ

    子供のころから虫好きで親しんできた。 虫好きな子供にとっては定番のようにカブトムシやクワガタムシさらにはカミキリムシなどの甲虫は特に好きで飼育にも励んだ。 しかし、僕は青年になるまで小さなカミキリムシに似たハンミョウという虫を知らなかった。子供のころの遊び場であった野山にはいなかったかもしれないし... 続きをみる

  • 節理

    それは冷却の過程で生まれた 生命が感性というものを作り出す 遥かに遠い昔 やがて生まれる生理に 心地よさと潔さを与える秩序を形作った 秩序は想像を絶する圧力にも屈することはく 褶曲や湾曲のなかにもそれは保たれる 力強く、逞しく、そして粘り強い 節理は自然界の美しい規律であり精神だ 人間界では摂理を... 続きをみる

  • メビウスの山

    沢筋から尾根の中腹を巻き 樹林に囲まれた小さな台地に出た 眼前に現れた伝説の鋭鋒に色はなかった あの山の頂上にはいまだに誰も登った者はいない 頂上には山腹を巻いて登るルートが4つ しかし どれを選んでも頂上にはたどり着かない いずれも山腹を螺旋に巻き 険しい岩稜を攀じ登らねばならない そして 一周... 続きをみる

  • ジャンダルム

    憧れの岩稜 切れ落ちたその北面の突端に立つ 足元の岩から身体が離れていく感覚を覚える これほどまでに 切れ落ちた頂に立ったことはない これほどまでに 深い谷を見下ろしたこともない ほんの少し身を前に傾ければ 飛んでいけそうな気さえしてくる

  • 穂高

    中の湯に止めたバイクの荷台から ザックを外すと釜トンネルの手前からバスに乗り込んだ 8月の晴れた日だった しかし徳沢のテント場まででもザックの肩紐が肩にくい込んで辛かった 無知だった 3〜4人用のテント、ガスコンロにランタン、パックの白ライス3日分、レトルトカレー、ラーメンなど 重量こそ測ってない... 続きをみる

  • 賤ヶ岳

    琵琶湖北部の知名度のある山である その昔、豊臣勢と柴田勢が合戦を繰り広げた山 南は山本山から縦走して、北は余呉湖から登る 直下の麓から登るルートやリフトも有るがそれは使わない 南ルートは尾根筋に何基もある古墳群 北ルートは古戦場の尾根をのんびり歩くのが良い 冬の積雪期がなおのこと良い 切り開かれた... 続きをみる

  • 焼かれる雪面

    登山道はまだ雪の下 斜面はかなりの勾配だった 滑り落ちると雪渓の縁を越え がれ場の石にすりおろされるのは間違いない アイゼンを持っていなかったので 雪渓幅全部を使ってジグザクに攻略したのは正解だった 対面の縁にたどり着いて振り返ると 雪渓一面のクレーターが朝陽にジリジリと焼かれていた

  • スノーブリッジ

    沢に降りる石畳みの道の先はスノーブリッジのトンネルになっていた トンネル内の暗闇を屈んで覗き込み 身を反り起こすと 夕照の立山がまるで映写機で映されたかのように ブルースクリーンに映えていた

  • 大日岳のシロクマ

    7月2日、下界は40度の猛暑。 奥大日岳に続く稜線の雪庇は大きくひび割れクレバスを作っていた 末端に何やら白熊のようなものがじんわり溶けていた 動物園なら氷のプレゼント しかし、このクマは汗をかきながら自身が溶けねばならない 雫すべてが深い谷に流れ落ちるには さして日時はかかるまい 朝日に光る白熊... 続きをみる

  • Here comes the sun

    稜線の北斜面はコバイケイソウの群落地だった 多雪であった今冬の雪稜も融雪が進み あちこちに株が点在する 雪溶けが遅い窪地にクレヨンのような若芽が まるでついさっき出たばかりのようにニョッキリと立っていた 東の立山連山の稜線から出たばかりの光を受け 頭部は可愛らしいとんがり帽子 みんな喜んでいるよう... 続きをみる

  • クマ

    5月中旬、残雪期の白山に登った帰り、白峰村から勝山に超える峠手前の車道で熊を見た。 峠に向けて車で登っていると路肩に止めた軽自動車のおじさんが僕の車を呼び止めるので何事かと車を停めてみると熊が道路を横断したのだと言う。 おじさんは後続車をわざわざ止めることまでするなど、興奮状態だったようだ。 
車... 続きをみる

  • 鳥の言葉

    鳥の鳴き声は実に様々だ。鳥種によって全く違うのも改めて考えると面白い。 ホーホケキョ、トッキョキョカキョク、カッコウ、ツツピー、ギョギョシギョギョシギョジギョジ、ヒンカラカラカー 他にも文字で表すには難しいものがたくさんある。 個性的なものの中には品が良いとは言えないものやうるさいとまで感じるよう... 続きをみる

  • 森のスティーブ・ガッド

                ※以前撮っていたコゲラの画像が行方不明故、これにて失礼 

山道の谷筋から支尾根を登っていると頭上から乾いた連続音が聞こえてきた。 耳を澄まして音の出どころを探してみると、すぐ左に生えているリョウブの上方の枝に、頭をせわしなく左右に振りながらドラミングしているコゲラを認めた... 続きをみる

  • せみ

    こそばゆいよ さっきから俺の顔に 止まってる奴がいるんだが 正体がわからない どお~れ ああ、これが限界だ まだ見えない

  • タマムシ

    

数年前の8月だった、散歩でよく出かけていた自然公園の欅の下で数枚のタマムシの羽根を見つけた。メタリックな光沢の羽は下草の隙間で光っていた。 羽根は全体的には緑色だが黒や黄などが混ざるもので見る角度を変えるとブルーになる。玉虫色と言うだけにその色彩はなんとも曖昧でハッキリと断定できない。 物事の... 続きをみる

  • ブロッケン

    妖怪なんぞと 誰が言ったのか あれはまぎれもない通路だ もう一つの世界への それは 高山の限られた条件でないと開かない 量子力学だか、反物質だか 仕組みの理屈を聞いたからと言って どうだというのだ そんなことより 入ってみればわかるというもの そこに入り口が開いているのだから 俺は行くよ あっちの... 続きをみる

  • 五竜岳

    梅雨明けを狙って後立山の縦走を企てた 八方尾根から唐松、五竜、鹿島槍、爺へと2泊3日の行程 もう何年も前のこと 初日の八方尾根では降られた 結構な太い雨に耐えながら登っていると ドカ〜ンと一発振動が降ってきた 身をすくめしばらく足が出なかった 2発目の雷鳴はなかったが 肝は冷えたまま分岐の山小屋に... 続きをみる

  • お堀の忍び蛸

    高度な技術をもった名人のはずがどうしたことか わが身の特徴を知って木の根に重ねたのは見事だ 色目にも問題はない しかしバレバレなんだ 目がいけない 目が それにしてもはるか磯から こんな町中のお堀にまで 何をしようというのだ まさか お主 幕府の隠密ではあるまいな

  • ゾウさん

    ♪♪♪ ゾ〜ウさん ゾ〜ウさん お鼻が切れたのね そうよ シカさんが齧ったのよ ♪♪♪ ちょいとふざけてみました 鈴鹿の山を登っている時 登山道脇のそれと目があってしまいました 目が「つれて行って欲しい」と訴えるようでしたが 頂上に急ぎました 帰りにはもう見当たりませんでした

  • 膨張月

    峠から少し足をのばした稜線上の小さな丘に腰をかけた 西側に広がる広大なスクリーンは 刻々と色を変化させながらゆっくりと幕を下ろしていった 立ち上がって後ろを振り向くと 煌々と冷たい白光を放つ月が昇っていた 月は見る見る膨張し やがて東の空一面を埋めつくしてしまった 僕は膨れ上がる月に圧倒され向き直... 続きをみる

  • 水鏡

    天地逆転? いや、写真の向きはこれで合っている。 此処は、北アルプス鏡平にある鏡池 山と空は池に映ったもの 現実のものよりコントラストが良くクリアだ 粒子の細かい良質のポジフィルムのような池面である このルートは東となりの上高地に比してマイナーで登山者も少なめ 槍、穂高の連峰も近くに迫るが景観的に... 続きをみる

  • 半失

    これから歩く道 不安がよぎる すでに山の半分が無い 尾根道を渡っている間に こちら側も消されないかと 霧の正体は微小な水滴 水蒸気じゃないから巻かれると寒い 皮膚を通じた寒さは心を不安にする 身体は正直だ 心の正体は身体感覚じゃないかと思うぐらい しかし 僕はこの半消失の世界が何故か好きだ 縦走中... 続きをみる

  • 古代峠

    遊歩道から山道に入り、古代峠と名付けられた鞍部に出た。正面には両側から流れる山裾が一重の広い襟を合わせている。手前に近江南部の平野、そして霞がかかった琵琶湖の帯の背後には比叡山の屏風が立つ。眼前に広がる逆三角形の織物の真ん中を登りの新幹線が裁断するように通り過ぎていった。 峠には石門がある。両側の... 続きをみる

  • 焚火

    渓流の大きな岩を背にたき火をしながら夜を過ごしていた ふと背後に動きを感じたので振り返ると岩肌に照らされた自分の影が映っていた 何気なく影に右手を振ってみた。 影は同じように右手を振った 僕は焚火のほうに向きなおそうとしたとき 何かしら違和感を覚え岩肌のほうに向きを戻した その瞬間、僕は影に腕をつ... 続きをみる

  • 実験室

    ここは私の実験室である 実験室は矮小であり、広大でもある 実験はある可能性を実証するために1年前から行っている 結果は10か月を待たずに得ることが出来た そして、今、実験の状況は私の想定を越えようとしている   実験はシンプルなものである。 私は、実験室内のある一点にエネルギーを与えた 点は膨張し... 続きをみる

  • 刹那

    時間が始まって138億年 この地が出来て46億年 私が私を意識し世界を知覚できるのはどれくらいだろう 80年あればよしとしよう 138億分の80年 46億分の80年 秒針のひと目盛りもないこの儚い刹那 私の生のうちに生き物の新種は生まれるだろうか 島は幾つできるだろうか 陸地の合体分離があるだろう... 続きをみる

  • 黄昏の巨人

    今日も眺めていた 西の空を 幾千年 いや幾万年 こうして眺めているのだろう 視線の先の白山は 今日も同じ座りで 白く輝いていた そこに何かこがれる者でもいるのだろうか 木曽谷から風が吹き上がる 伊那谷から風が這い上がる 合流する風にその音を聞きながら 激しく打ち付ける雨雪に耐え 貼りついた氷を払う... 続きをみる

  • 3年前の大雪山

       大雪の御鉢平を訪れるのはおよそ40年ぶりになる。大学生の時、友人と北海道をバイクでツーリングした時に立ち寄って以来である。9月の中旬なのに、大雪では赤すぎるほど赤い紅葉のすごみに驚き、そして山の大きさに驚いた。  2人の体力は余るほどあった。黒岳の登り下りにはロープウエイを使ったものの、御鉢... 続きをみる

  • 樽前山

    霧は湖面を流れ 山頂への斜面には日が差している 柔らかく丸い曲線の外輪山 それだけで遠足気分 山腹を斜めにひっかく直線 登山道の先端が 青い空に触れるところにたどり着く 目の前にはたった今突き出たかのような 黒いドーム 噴気が上がっている 時空を破り出た噴出物は かのモノリスをも思い浮かばせる こ... 続きをみる

  • 硯岩

    この岩を見た時 すぐに硯石を連想した 小学生の頃、仲の良かった友達に誘われて習字を習った 自分で言うのはなんだが なかなか筋がよかった 確か最終は特待生だったと記憶する そんなことで硯石にも親しんだ 郷里特産の那智黒のも持っていた 連想はそう言う体験に基づいていたのかどうか しかし 断面を滑らかに... 続きをみる

  • 顎岩

    青空に顎を突き上げて 何を競い合っているのか 岩の付け根から見上げると そんな様子に見えた 岩間に切れ入った空が モニュメントのアクセントを作る 雨雪に洗われた花崗岩 一様に肌は滑らかで さながら抽象アート 角が取れた丸みと曲線が 登山者の気持ちを緩めてくれる

  • ササユリ

    もう時効もとうに過ぎたことなので書くのですが、鈴鹿の山中でササユリを盗掘したことがあります。鈴鹿のどの山だったかまでは覚えていない。 
ササユリは山の会のメンバーから綺麗で香りが良くそして希少な百合だと教えてもらったことで関心をもった花だった。 たまたま山中で開花後の一本のササユリを見つけた僕は罪... 続きをみる

  • オオナルコユリ

    数日前、那須が原山で見事なオオナルコユリに出会った。 退屈な檜の植林帯の急登の後 鹿害防止の金網の戸を開け植生保護エリアに入る 雑木に道脇の野草 ホッとすると同時に草いきれに汗が滲み出した しかし、このオオナルコユリは保護エリア出口の外に咲いていた 登山道に覆いかぶさるように2株 葉裏を覗き込むと... 続きをみる

  • 天山

                              天山からの三上山 琵琶湖方面 西に三上山、東に鏡山、その間にちょうど両親に守られるかのように天山はある。 散歩のついでによく登る里山の一つだ。 山頂に続く尾根に見晴らしの良い岩がある。その展望岩の上に立つと琵琶湖の南端から北端までが見渡せる。 南... 続きをみる

  • 見る、聞く、嗅ぐ、味わう これらは特殊感覚と言うらしい それぞれ、特定の感覚受容器で感じ取る感覚だから 原生林で聞き耳をたてるタブノキの大木を見つけた あれはまさに感覚受容器だと言って良いだろう これは進化なのか それともその名残だろうか いずれにしてもあの大きな器官は 空気の波を感じ取っているに... 続きをみる

  • 原始の目

    原生林を歩いていると ふと何処からか見られている気配 周囲のタブノキの木々を見回すと その視線の元が目に止まった 僕の感覚には間違いはなかった 一本のタブノキが僕を見ていたのだ 見るという機能は レンズとフィルムだけでは成り立たない 取り入れた光を一旦電気信号に換え 再構築する器官がなければならな... 続きをみる

  • ギンリョウソウ

    恨めしや〜 私たちにないのは脚じゃない 色の素 そう、葉緑素 いらないから捨てちゃった でも、脚(根)はちゃんとありますよ 光は眩しいから嫌、日焼けもするし 美白にはとってもこだわっているの この白体、他では見られないでしょ 栄養? 栄養はパパ(菌)からもらっているから大丈夫 恨めしいのはこの身体... 続きをみる

  • 獣道

    なんとなく悲しく愛おしい そんな感情が湧く山焼き後の高原斜面 波打つ焼け肌に獣道が炙り出されている 鹿や狐や狸たち 此処を通る獣たちを想像する 白日に晒された道を前に 彼らは何を思うだろう 戸惑い、落胆、新芽への期待(ごちそう) いずれにしても 火傷を負った獣革のようなこの斜面は やがて緑に埋まり... 続きをみる

  • 曽爾高原

    これほど人の手が入ったことがあからさまな山も珍しい 尾根筋を境に片面が見事に剥ぎ取られている しかし、何故かヒリヒリするような痛々しさは感じない それどころか美しい のっぺりと若い緑が張り付いた人工自然の奇景が 非現実的でアートのようでもある 毎年春に焼かれることで斜面一面に新芽が一斉に芽出る そ... 続きをみる

  • 次郎笈(ジロウギュウ)

    徳島の剣山は別名「太郎笈」と言う 尾根続きの隣の山は「次郎笈」と言う この次郎笈が前から気になっていた 奇名と笹が綺麗なたおやかな山容に惹かれて いつか登ってみたいと 先日、青天が間違いないとわかり急遽出掛けてみた 初めて明石大橋を渡り、初めて徳島に入る そして、国道、いや酷道をかけ上がり満点の星... 続きをみる

  • 同化

    擬態などと言っているようじゃ まだまだだ 俺を見な こんなことは そうそう出来るものじゃない 全くうまくいった ええっ 食べ物はどうしてるだって? 栄養はすべて木からもらっているから 心配ご無用 もうネズミを探して飛び回らずに済むんだ 合理的だろ 後悔はないかって? あるはずがない、と言いたいとこ... 続きをみる

  • ピノ木オ

    笑っていいのか 痛々しく感じるべきなのか 受難の修復だろうか 病気や変異の一種? いずれにしても アニメのキャラクターばりのこの大木 存在を消すかのように控え目に他木の後ろに立っていた 僕は通りからしばらくそれを眺めていたんだが 過ぎゆく人の視線はそれに向けられることはなかった もし、あれがたくさ... 続きをみる

  • 山本山

    上から読んでも下から読んでも「やまもとやま」 海苔のコマーシャルではない 近江湖北にある里山の名称だ 古戦場で知られる賤ヶ岳から 琵琶湖に沿って伸びる細い尾根の南端にある 端正な形で湖北を象徴する山だ その山頂下にある寺の前に この石仏がある 左はお地蔵さん 右はおじさん この場違いのようなおじさ... 続きをみる

  • 竜ヶ岳

    鈴鹿一笹が綺麗な山だ 遠足尾根から眺める草原の如き山容は アフリカのサバンナの如し 笹原に立つ低木たちはシロヤシオ 清楚な白い花が気持ち良い この花もこの山も 青空にとてもよく似合っていた

  • 赤神山

    晴れ渡る空 陽光は山肌の若緑を照らす 風は斜面を駆け上がり 鳶たちは舞う のどかな里で 御神体は上機嫌だ

  • 女体山

    仙人と言われた画家の熊谷守一の絵に 山容が女体になった絵がある 景色を見ていると女性の体に見えてくるらしい 丸く穏やかな曲線の山だったのだろう 「女体山」という名の山は結構各地にある 山名の由来は山容にあるようだ 何とも生々しい命名なんだな、と思った 日光の「男体山」という山名には なんとも思わな... 続きをみる

  • ビオトープ

    この人工の池には白い小ぶりな蓮の花が咲く 砥草がいかにも湿地を演出し雰囲気を作っている 蓮の葉と密集した砥草に トンボたちは羽根を休める場所に事欠かない ある時砥草に小さな赤トンボがとまっていた あれがハッチョウトンボと言うのだろうか 蓮にはチョウトンボ 緑の縦線に目が慣れるとあちこちに黄色い糸ト... 続きをみる

  • ケンケン山

    片足ケンケンでも登れる山 雉がたくさんいる山 と、言う訳ではありません 琵琶湖にある沖島にある山の名 標高200メートルほどの低山ながら 切り開かれた見晴広場からの眺望はなかなかのもの 広大な湖面を見下ろし 正面の比良連山は泳いで渡れると思うほど近い 山地の北端 リトル比良と呼ばれる山の尻尾を眺め... 続きをみる

  • 花崗岩の松

    俺A) これが生きるっちゅうことやな 俺B) う、...んっ? 急に何言い出すねん 俺A)あれ見たら感じたんや 俺B) どう言うふうに? 俺A)言葉ではうまいこと言われへん 俺B) ほお、感じたねえ。ところでお前いくつになった? 俺A)忘れた 俺B) 自分の歳忘れたってか? 俺A)ああ、忘れた 俺... 続きをみる

  • イカ

    近江の奥里 佐目(さめ)から高室山に登る ツヅラ坂ですぐ前を歩く同行者が言った 「イカが刺さってる!」 それは、まさにイカであった ※佐目集落には明智光秀の出身地とする口伝と文献が残るらしい。

  • ロープワーク

    エイトノット ブーリンノット ボーラインノット インクノット リーフノット スリップノット ひと結び ふた結び 巻き結び ねじ結び もやい結び 叶結び さて これは誰がした何結び?

  • 水虫退治

    「だれだ こんなところで足干ししてるのは!」 「ああ、あれは「金勝(こんぜ)の太郎」だよ」 「だれだ そいつは?」 「水虫退治してるに間に石になった間抜けな野郎さ」

  • 新緑に溺れる鯨

    ブナの尾根筋を抜け急勾配を登り切ると 南中の光を浴びる平原に出た 視界正面にはクジラが出ている 大雪の冬を堪えぬいた 若芽の柔らかい緑が目に優しい平原に 次元を超えてやってきたかのような突出である 郷里の半島にある小さな水族館に クジラの骨が展示されていた 広い部屋いっぱいに飾られた全身の骨格は ... 続きをみる

  • 火星の墓場

    朝の斜光を浴びたカレンフェルトは さながら異星の墓場 野晒しの骨骨の中に 頭骨が晒されている 岩は雨雪に磨かれ 墓砂と化す 墓石と骨はもはや 遺跡の遺物である 鳥のような河童のような 南の山波の遠くを見つめる あの頭骨はどんな生き物だったのだろう

  • 国見オオナマズ

    ナマズと言えば びわ湖オオナマズ びわ湖固有種で我が国最大のナマズ 今は希少魚である 国見岳 三国山などとともに 各地の国境の山に冠される名 近江と伊勢、尾張を望むこの国見岳の頂 こんな所にナマズが潜んでいた それはオオナマズのように岩床から 伊勢湾を眺めていた

  • 積み石の瞑想

    突き出した岩のテラスの上で瞑想をしている人を見たことがある 背筋を伸ばした胡座で無動だった なんとなく場にあった行為のように感じたものだ 坐禅の経験は多少ある しかし、無の境地やら 何かに目覚めるかのような経験はない それが環境のせいだったとしたら このテラスなど申し分のない場所ではないか ここな... 続きをみる

  • 比叡山

    黄色の帯の向こうに遠望するは比叡山 黄色は春の色 カラシナの黄が河川敷を埋め尽くすこの時期 土手をのんびり歩くのは気持ちが良い 比叡山は京滋にまたがる山 山容は琵琶湖越しに見る均整のとれた三角錐に軍配が上がる それは住宅団地にある我が家からも遠望できるものの やはり広い空と地の中で眺めるに越したこ... 続きをみる

  • 木曽駒ヶ岳

    雪のあるうちにと他力(ロープウェイ)を使って木曽駒ヶ岳へ 千畳敷はたっぷりと雪が残るが 斜面にはいくつもの生々しい落石があちこちに ヘルメットデビュー正解なり 稜線に出ると雪が無い アレレ やはり白山や立山とは雪量が違う アイゼンをしまい青空と無風の山頂へ 御嶽、乗鞍が朝の陽に照らされて浮かんでい... 続きをみる

  • 地蔵岩

    やっぱりな! 誰かが クレーンで乗せたんだ 証拠を押さえたぞ!!

  • トチの大木

    若葉を透過する光 柔らかく なんとも心地がよい 下から仰ぎ見るトチの葉は 手の平を目一杯広げた子どもの手のようだ 樹木の葉は 空気中から取り込んだ一成分と 太陽の光だけで 栄養を作り出す 緑葉の成分は工場だ そしてその正体は かつてのバクテリア 細胞内共生とは どちらが主導した戦略だろう 気の遠く... 続きをみる

  • 奥大日岳

    一の越の手前はガチガチでツルツル アイゼンの歯も負けそうなアイスバーンに 恐る恐るピッケルを突き刺し そろりと登った 陽は春だが空気は真冬 キリッと冷えている 室堂平と奥大日岳 曲線と陰影がなす絶妙なアート 余分な色もなし こういう景色を見ると 雪山の美の極致を感じる 今日は雄山をピストン さて、... 続きをみる

  • キース・ヘリング

    比良のヤケ山の下り 谷筋で気にかかった岩 どこかで見たように思うのだが 思い出せないでいた 先日ふらっと入った画廊で はたと思い出した キースヘリングの「Dog」だ ああ、スッキリした

  • フォロン

    花崗岩の山道の風化は 登山者が歩くことで その速度を上げ ハーフパイプ状にえぐられていた 人の背丈も流れた底の真砂に キャラメルのような四角い石が ぽつんと一つ転がっていた 石には顔があった 限りなく簡略化された顔 口、耳もなく 感情も抑えられている なのに、妙に親しみを感じたのは ジャン・ミッシ... 続きをみる

  • 半纏(はんてん)の親子

    見慣れぬ形と柔らかさに惹かれて シャッターを押しました 陽光に手の平をめいっぱい広げ 嬉しさと楽しさが溢れています チューリップを思わせる百合の木の葉 半纏に似る故、半纏木ともいうらしい そう言えば半纏の親子にも見えてきます 朝の散歩でこんな親子に出会うと 一日を元気に過ごせる気がしてきます 今日... 続きをみる