hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

黄昏の巨人



今日も眺めていた
西の空を
幾千年
いや幾万年
こうして眺めているのだろう


視線の先の白山は
今日も同じ座りで
白く輝いていた
そこに何かこがれる者でもいるのだろうか


木曽谷から風が吹き上がる
伊那谷から風が這い上がる
合流する風にその音を聞きながら


激しく打ち付ける雨雪に耐え
貼りついた氷を払うこともなく
ただただ彼方を見つめる


黄昏れる彼に情念は感じない
岸壁はひたすら黙するだけである