hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

次郎笈(ジロウギュウ)



徳島の剣山は別名「太郎笈」と言う
尾根続きの隣の山は「次郎笈」と言う
この次郎笈が前から気になっていた
奇名と笹が綺麗なたおやかな山容に惹かれて
いつか登ってみたいと


先日、青天が間違いないとわかり急遽出掛けてみた
初めて明石大橋を渡り、初めて徳島に入る
そして、国道、いや酷道をかけ上がり満点の星空のもと車中泊
早朝に次郎を目指した


笈は、「おい」とも「きゅう」とも読まれ、行者の背負い箱のことらしい
修験の山故の名前なのだろう
そう言えば霊峰白山の近くにも笈ヶ岳という山があったな、と思い出した


ハイキング気分で1時間半
太郎の山腹を巻いて尾根に出ると
朝日の斜光の中、期待通りの次郎くんはいた
目のあたりにする山容はやはり好みの山
朝日を背にゆっくりと登った


尾根に出る前、北側の斜面の林でツツドリが「ポポッ、ポポッ」と鳴いた
静かな朝に心地よい鳴き声だ
尾根に出ると反対の斜面から「カッコウ」と聞こえてきた
なかなかの演出である
そして、山頂からの戻り、背後でホトギスが鳴いた
出来過ぎである
まさに初夏の山を代表するの朝の声の揃い踏みであった


この鳥たち、僕が3悪鳥と呼んでいる鳥たちであることを差し引いても
情緒満点の次郎笈の朝を作ってくれたのだった。


※この3鳥、托卵という非道な繁栄戦略の持ち主たち。勿論僕の勝手な道徳というか倫理観によりますが・・・