立山の鏡
自分の姿を鏡で写したがる山は結構多い
身体の適当なところに池や湖、湿地の池塘などを配置し
天球を通過する光源を利用して我が身を映す
正面顔は目の前のこの池で
横顔は朝の斜光が当たるあの池で
立ち姿は台地の下の池塘で
大きく威厳ある山であるほど鏡の数は多く
自身のさまざまな表情を見たがるようだ
加えて,
山に参る者たちに見せつけんがためでもあるのだろう
山の正体は
ナルシストで自己顕示欲の強い神様なのかもしれない
溶岩で堰き止めて
雨雪や震えで土砂を流して
地面から湧き立たせて
これら現象は姿見を作らんがための
山神の意思に基づく行為だった、などと言うと
他から冷笑をあびるのだろうな
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