hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

膨張月


峠から少し足をのばした稜線上の小さな丘に腰をかけた


西側に広がる広大なスクリーンは


刻々と色を変化させながらゆっくりと幕を下ろしていった




立ち上がって後ろを振り向くと


煌々と冷たい白光を放つ月が昇っていた


月は見る見る膨張し


やがて東の空一面を埋めつくしてしまった



僕は膨れ上がる月に圧倒され向き直った


すると


視線の先の小さな丘の上に


西の空を見ながら座っている僕がいた