梅雨明けを狙って後立山の縦走を企てた
八方尾根から唐松、五竜、鹿島槍、爺へと2泊３日の行程
もう何年も前のこと

初日の八方尾根では降られた
結構な太い雨に耐えながら登っていると
ドカ〜ンと一発振動が降ってきた
身をすくめしばらく足が出なかった
２発目の雷鳴はなかったが
肝は冷えたまま分岐の山小屋に避難
雨脚と恐怖心が薄れるまで休憩させてもらった

唐松岳は断念し五竜岳に向かう
小雨になったもののルートはガスの中
またいつ２発目があるかもしれないと思うと
気が気でない
とにかく早足で歩いた
結構な岩稜部分もあったはずだが
ほとんど記憶がない
霧の中で見事なキヌガサソウが咲いていたことだけが残る

濡れネズミで五竜山荘に駆け込む
ホッとして着替え、濡れた着衣は乾燥室に
宿泊者はたった1人

翌朝は快晴
ラジオからは梅雨が明けたようだとの知らせ
気持ちが、冷えた朝の空気に浮くぐらい軽くなる
朝飯前に白岳に登り目指す五竜岳を撮った
カメラを構える自分が写ることも気づかずシャッターを押した