森のスティーブ・ガッド
※以前撮っていたコゲラの画像が行方不明故、これにて失礼
山道の谷筋から支尾根を登っていると頭上から乾いた連続音が聞こえてきた。
耳を澄まして音の出どころを探してみると、すぐ左に生えているリョウブの上方の枝に、頭をせわしなく左右に振りながらドラミングしているコゲラを認めた。
タン、タタ、タタ、タン、タタ、タタ、タタタタ、タタ、タタ
よく聞いてみると等拍の連打だけでなくいろんなリズムが混じっている。
人間の目に映る微笑ましさとは裏腹に、コゲラにとっては採餌は大変であろう。
だけど、鳥と言えども単調な行為に遊びを入れてみようと思いつくことだってあるかも知れない。
こんな小柄な体で粒立ちの良い軽快な音を鳴らすコゲラを見ていると、世界のトップドラマーであるスティーブ・ガッドが思い浮かんだ。
最上のドラマーが叩き出す音、リズム、それにグルーブ。幾度か生で酔いしれたものだ。
森のスティーブ・ガッドはしばらくの間、僕の存在などに気づきもせず演奏を続けた。
長い演奏を止めたコゲラの嘴に虫は認められなかった。
やはり演奏だったのかもしれない。あまりに響きがいい木(ドラム)だったので。
ああ、8月のライブが待ち遠しい。
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