hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

霊仙山


深く雪が積もった冬
何度かスキーをつけて登った
峠に上がる斜面には北畑の廃村
唯一残る小さな寺にも厚い雪がかぶっていた
樹上に猿の群れ
真冬のそれらは愛おしく胸を締め付けさえする


ブナの尾根を過ぎ、笹峠に出る
峠から見上る南霊仙の斜面を前に
覚悟を決め一足一足板をすり上げ雪面にジグザグを刻む
この急斜面、近江随一の稜線への関門である


雪の近江展望台に立つ壮快は比類なし
馬の背のように伸びる稜線越しの主峰
この山のハイライトとなる景観であろう


尾根を辿るもよし
広く緩やかなすり鉢に滑り込むもよし
この尾根筋はおおらかで自由な心持ちにさせる


伊吹山の展望に優れるふたコブの頂を楽しんだ後は
経が峰との間にある谷に滑り込む
約束された会心のゲレンデ滑走の後
台地西端の降り口に一直線の快感が待っている


猿岩で最後の展望に別れを告げ汗拭き峠へ
谷筋の林道をクロカンよろしく軽快に板をスライドさせ
落合に下山すればこの度の山行は終わりである


これが冬の楽しみであった