hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

雷鳥



初めて雷鳥を見たのは南アルプス北岳の稜線だった。登山道脇の岩と草の中を集団で歩いていた。親子連れで、雛の母親を追って歩く様は可愛くて愛おしさも感じた。ただ、親の方は地味でウズラみたいな鳥、というのが印象で特別な感情は起きなかったと記憶している。


以後、主に北アルプスで何度か出会うことがあったが印象深いのは以下の3回。


一つは、立山の雷鳥沢をスキーで滑り降りている時に経験した接触事故寸前のニヤミス。
雪面に小さな盛り上がりのあるところを通過したところ、その盛り上がりの影から真っ白な雷鳥が飛びたった。危うくひき殺してしまうところで胸を撫で下ろした。
飛び立った後はすり鉢状になっていて身を潜めていたことが窺え、見回すと辺りに数個そんな盛りとすり鉢を認めた。何はともあれ傷付けなくてよかった。


二つ目は、息子と乗鞍を滑りに行った時に出会った鳥。4月上旬、位が原に登ったものの猛吹雪。その上を諦め下山をすることにしたがルートがわからずプチ遭難状態。山荘に引き返すにも踏み跡はどんどん降る雪に埋まっている。気持ちを落ち着けるのに風が緩い斜面で早い昼飯とすることにした。そんな時2人の眼前を真っ白な雷鳥が羽ばたいた。息子は感動したようでスマホで撮影している。これでちょっと不安が軽減。雷鳥に助けられた。
 (その後ルート判明し下山。私はスキー、息子はスノーボードで新雪のパウダーを満喫す)


三つ目は、秋の立山縦走時のもの。なんと二泊三日の縦走中に26羽の雷鳥を見たのだ。初日、折立の小屋までは濃い霧の中だった。峠までの斜面で6羽の集団を目にし、小屋近くの尾根でも8羽の集団が越えて行った。(ひょっとすると下の斜面で見たものと同じ集団だったかもしれないが)
翌日の小山への登りおよび山頂の祠で数羽、別山への縦走で数羽。前日までの分の覚えていた数を足すと26になった。なかなかこれだけの数を見ることはないだろうな、と下山後に立山自然保護センターに立ち寄った際、目撃情報を届けた。


今では雷鳥のことは可愛い鳥になっている。