hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

旗振り山



岩戸山の先端に立つ。南方に近江平野のシンボル三上山が見え、その少し右手に旗振り山がある。


北を望むと琵琶湖の手前に荒神山その右手に佐和山が見える。
野洲の旗振り山、近江八幡の岩戸山、彦根の荒神山に佐和山、この四山、米相場の伝達のための旗振り山である。


電信がなかった江戸末期から明治初期、大阪の堂島から大津、栗東の山を経てこの四山、そして湖北の長浜まで旗を振って伝達したらしい。その伝達速度、大阪から長浜まで10分というから驚きだ。


野洲の旗振り山ー近江富士のすぐ北にある低山。当然のことながら役割上西の平野側にせり出し見晴らしが良い。


岩戸山ー太郎坊の岩峰がある箕作山の西端にあり近江平野を南北に見渡す。


荒神山ー彦根の湖岸近くにこんもり独立し、琵琶湖と比良の眺めが素晴らしい。


佐和山ー彦根と米原の間にあり、かの石田三成の城があったとして知られた山。


近江平野には孤立丘が点在する。孤立丘とは平地の中にポツンと盛り上がった目印になる山で、山頂には神が宿る大岩があることが多いらしい。見通しが良いので確かに通信には適した山であり、それらをつなげて通信網として活用したのは理にかなっている。


今、岩戸山の大岩の上に立つ僕の手には、通信利器の「スマートフォン」が握られている。湖北への通信はさて何秒かかる?