hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

大雪山麓の森で





林の手前の川べりで
吹雪に出会った


雪の一片を手にとると
綿毛をつけた虫だった
この地に居住経験を持つ人が言った
「もうすぐ雪が降るよ」
虫の名は「雪虫」だと言った


黄金のカラ松の林の中に入った
そよっと風が吹き
小さく細い葉が雪の如く林内を舞う
私は降り落ちる葉を首をすくめて眺めていた
今日出会う二つ目の冬だった


黄金の雪が止んだ
微風が辺りを撫ぜた
ミズナラの葉が一枚、もう一枚
カラ松の幹の間をゆっくりと舞い過ぎた
スローで乾いたメロディーが聞こえてきた
目で見る音楽に時間は止まったかのようだった