2022年7月のブログ記事
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木曽駒あたりから甲斐駒を見る 伊那谷は雲海の下 雲海は大河 蠢くような雲襞は 生き物のように揺蕩い流れる この下にほんとに街や人はあるのだろうか 天竜が深くえぐる谷筋は 妖気漂う雲の大河が流れる道でもあった
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モルゲンロート アーベンロート ケッタイな呼び名 朝夕の赤焼けのことらしい なんの加減か晴れていてもさほど赤くならない日や 濃い赤の景観が拝めることもある しかし、いずれも時間は長く無い まだ赤くなるだろうと待つうちに薄れてしまうこともありがち 青は人間の好む色、安心安定の色 赤... 続きをみる
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昨日は目にしなかったのに 今日は咲いていた 小ぶりの可愛くてひかえめな花だった 夏の池塘にはよく似合う あそこにも一輪 水中で多層的に開いた葉が池塘の質感を変える まるでヒツジグサのゼリー寄せだ 同行者は水羊羹と言った 水中のが水面まで伸びてくると 賑やかで楽しげだ 水面に絵ができていた
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7月中ば 尾瀬の主役はこの羊歯だった ニッコウキスゲ、ヒツジグサ、コウホネ、トキソウ、ワタスゲ、アヤメ… 尾瀬ヶ原を演出する代表的な植物より 僕には存在感が強かった 水鏡に映る虚像がまた良し 先端部の柔らかい黄緑の輝き ピリッと張りのある立ち姿 心地よいフラクタルな図形の集合 群生ラインが作る湿原... 続きをみる
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燧ヶ岳への直線 至仏山への直線 竜宮への直線 木道は 在ることで湿原を絵画的に演出する 空間の奥行きと広がりが出て 空間がキリッとしまる 湿原の人為的な保護策が 視覚的喜びを与える空間に仕立ててくれている
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苦痛、悲嘆、受容、悟り 止まることのない水の流れは 火山灰で出来た岩を削り続け 噴出の時に封じた心を掘り出していた 幾百年、幾千年、幾万年 これからも流れ続ける水は その下に 何を掘り出すのであろうか
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憧れの岩稜 切れ落ちたその北面の突端に立つ 足元の岩から身体が離れていく感覚を覚える これほどまでに 切れ落ちた頂に立ったことはない これほどまでに 深い谷を見下ろしたこともない ほんの少し身を前に傾ければ 飛んでいけそうな気さえしてくる
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登山道はまだ雪の下 斜面はかなりの勾配だった 滑り落ちると雪渓の縁を越え がれ場の石にすりおろされるのは間違いない アイゼンを持っていなかったので 雪渓幅全部を使ってジグザクに攻略したのは正解だった 対面の縁にたどり着いて振り返ると 雪渓一面のクレーターが朝陽にジリジリと焼かれていた
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沢に降りる石畳みの道の先はスノーブリッジのトンネルになっていた トンネル内の暗闇を屈んで覗き込み 身を反り起こすと 夕照の立山がまるで映写機で映されたかのように ブルースクリーンに映えていた
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稜線の北斜面はコバイケイソウの群落地だった 多雪であった今冬の雪稜も融雪が進み あちこちに株が点在する 雪溶けが遅い窪地にクレヨンのような若芽が まるでついさっき出たばかりのようにニョッキリと立っていた 東の立山連山の稜線から出たばかりの光を受け 頭部は可愛らしいとんがり帽子 みんな喜んでいるよう... 続きをみる
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※以前撮っていたコゲラの画像が行方不明故、これにて失礼 山道の谷筋から支尾根を登っていると頭上から乾いた連続音が聞こえてきた。 耳を澄まして音の出どころを探してみると、すぐ左に生えているリョウブの上方の枝に、頭をせわしなく左右に振りながらドラミングしているコゲラを認めた... 続きをみる
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こそばゆいよ さっきから俺の顔に 止まってる奴がいるんだが 正体がわからない どお~れ ああ、これが限界だ まだ見えない
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