うらじろ
近江の里
桜が散った後の富士の麓
そこは地球外生命の大集合地となる
ひしめき合ったそれたちは
生き生きと生を喜び合ってにぎやかだ
かわいくて愛らしいその生命たちは
友好的な性格で地球人には害を及ぼさない
春がすすみ
その陽気に暑さも感じるようになるころ
彼らは一斉に翼を広げて飛翔を始める
高い木立の木漏れ日の中で
実に活き活きと
気持ちよさそうに飛び交っている
やがて飛翔の時期が終わると
その鍛えられた翼を納める
年の瀬を迎えるころ
翼は里の人間たちに刈り取られ
家屋の玄関に橙と一緒に吊るされるのだ
里の者は誰一人
それが地球外生命であったことを知らない
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