hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

ポンポン山



滅多に山頂の表示など写すことはないが今回は例外


かねてから登ってみたいと思いながら
40年近く脚を向けることのなかった山
先日ようやく登ってみた


この愉快な山名の由来は
山頂付近を歩くと地面がポンポンと鳴ることによる


京都での学生時代
西京の大原野の山中にバイクを走らせ
辿り着いた所が善峯寺
奇妙な名の登山口だった
登ってみようかとの誘惑に応える時間がなく帰宅しそれっきり


月日は流れ登頂の前夜
京都南西部の地形図があったことを思い出し
ザックの天袋にねじ込む


さて、山頂
南東に木立が切り開かれた展望には
つい先月登ったばかりの鈴鹿の霊仙山や御池岳が遠望できて驚いた
西側に目をやるとこちらも先日出向いた大阪南から連なる高層ビル群が
霞の帯の中に筍のように群立する
近江米原から難波、堺と
誠に広角の展望である
しかし、何より驚いたのは
比叡山から伸びる尾根と音羽山からの尾根が
襟のように合わさるその中央に
我が里の富士である三上山が堂々と聳えていたことである
40年の時が僕の内側でつながるような感覚を覚えた


山頂のベンチで持ってきていた地形図を広げた
左下隅に昨夜確認したポンポン山
視線を地図全体に移すと
何箇所かに鉛筆の書き込みがあった
分水線、傾斜変換線・・・
小さな丸が入った所は当時の下宿だった


折り込みの余白に一見して自分の筆跡とわかる字で
大学と学科名、学籍番号があった
忘れていた地形図の理由が頭の中ではっきりする
教職課程の地理の授業で使ったものだった
昨夜は思い出さなかったのに


7M267-5
僕の番号も思い出した
何か愉快でもあった


物覚えがどんどん悪くなる昨今の我が頭だが
学籍番号とポンポン山の678メートルは
忘れないような気がする


それで、ポンポン山の頂
どこも「ポンポン」とは鳴らなかった
代わりにツツドリが「ポポッ、ポポッ」と
空洞のような乾いた声で始終鳴いていた