hiroshi63のブログ

山と妄想あそび

十三仏



大岩の根元には十三もの仏が 祀られる


岩の背後は山界


僕はそこから仏界に降りてきた


仏の集合地から続く長い石段


木漏れ日の演出の中


苔むした石仏が並ぶ異界を抜けると


竹林が風に洗われ


コン、コーンと音の空洞が降ってくる


ああ、人間界はもうすぐだ

テーブルマウンテンの木


もちろんギニア高地ではありません


ほんの身近にある森の中で見つけた切り株


朽ちた切り株と繁茂する苔


木漏れ日による陰影は


小さな世界を深く広げます



どうですか?


麓の苔は熱帯林に


切り株は岩山に


見えてきませんか


新種の生き物も潜んでいそうでしょう


妄想を楽しむ対象は


なんでもない足元にもあるのです

フレンチブルドッグ



そんな顔で睨むなって
ちょっとしたトラブルがあって
下りてくるのが遅れたんだ


そもそも、おまえが一緒に登るのを
嫌がったからじゃないか


それにしても雪も払わず
よくじっと待っていたね


さあ、機嫌を直して
一緒に帰ろう

孤岩



   吹きっさらしの高原で


   可愛らしい石を見つけた


   なんとなく生き物を


   そして人間を感じる


   そんな寂しい石が


   ポツンところがっていた

虚像



あれは 今 
ほんとうに
あそこにあるのだろうか


影のようなあれと
暗闇を照らすあれは
同じもの?


感じることは出来ようか
いやできまい
あれが引く力を


あれはいつも同じ面
信じられるだろうか?
出来すぎた同期 27・32日


誰かが貼り付けたのだ 
天球に
裏面に潜む
狂気を封印するために